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離婚協議書における住宅ローンの書き方

離婚協議書における住宅ローンの書き方

離婚協議書の作成において、住宅ローンに関する取り決めは非常に重要です。住宅ローンの支払い義務者や支払方法、住宅の所有権の移転など、詳細な取り決めを明確に記載することで、将来的なトラブルを防ぐことができます。また、住宅ローンに関する話し合いをする際には金融機関等との調整も欠かせません。

こちらの記事では、離婚協議書に住宅ローンの条項を記載する際のポイントと具体的な記載例について詳しく解説いたします。さらに、住宅ローンに関連する他の費用などについても触れていますので、ぜひ参考にしてください。

離婚協議書とは

離婚協議書とは

離婚協議書とは、離婚に際して夫婦が合意した内容を文書として正式に記録し、離婚後の生活に関する取り決めを明確に示すものです。離婚協議書を作成する第一歩は、まず夫婦の離婚や離婚条件の合意について詳細に明確化することから始まります。離婚協議書には、主に「親権、養育費、面会交流、財産分与、住宅ローンの取り決め等」が含まれます。

適切な離婚協議書を作成するために、夫婦で合意した内容を整理し、具体的な文言としてまとめることが重要です。

例えば、今回のタイトルにもある住宅ローンに関しては、離婚後の支払義務者、支払方法、支払期間、遅延時の対応策などを様々なケースに応じて記載を検討する必要があるでしょう。

離婚協議書における住宅ローンの記載

離婚協議書における住宅ローンの記載

離婚協議書を作成する際には、夫婦が住んでいた物件に住宅ローンが残っている場合、その取り決めを明確に記載することが重要です。住宅ローンについての取り決めを文書に盛り込むことで、離婚後のローン支払に関する責任や不動産の所有権、支払い遅延時の対応策などをはっきりと定めることができ、将来的なトラブルを未然に防ぐことができます。

以下に、住宅ローンに関する記載ポイントと具体的なサンプル文例を示します。

住宅ローンの記載ポイント

住宅ローンの支払い義務者の明記

離婚後に誰が住宅ローンを支払うのかを明確にすることは非常に重要です。例えば、現在の住宅ローンの名義人と離婚後の支払義務者が異なる場合、支払義務者がどのようにローンを引き続き支払うかを検討する必要があります。通常、このようなケースでは銀行の承諾を得てローンの名義変更や借り換えを行うことが一般的ですが、これが難しい場合は、離婚後に財産分与として支払義務者が名義人に対してローンの支払いを行う形になります。また、ローン完済後には不動産の名義変更も行うのが通例です。このため、離婚協議書に不動産の名義変更に関する義務を明記しておくと安心です。

具体例として、夫名義の不動産で住宅ローンも夫名義の場合、離婚後に妻がその不動産に住むことになり、妻がローンを支払うケースがあります。この場合、銀行の承諾を得てローンの債務者変更ができれば良いですが、難しい場合には妻が夫に対して財産分与などの名目で毎月ローンを支払うことになります。ローン完済後には、不動産の名義を夫から妻に変更する手続きを進める必要があります。

記載方法は以下を検討できます。

住宅ローンの記載例

第○条(住宅ローンの支払)
1.甲は、乙に対し、本件離婚に伴う財産分与として下記の不動産(以下「本件不動産」という。)を譲渡する。
(土地の表示)
所在: 東京都渋谷区渋谷1丁目1-1
地番: 1234番
地目: 宅地
地積: 100.00㎡
(建物の表示)
所在: 東京都渋谷区渋谷1丁目1-1
家屋番号: 5678番
種類: 居宅
構造: 鉄筋コンクリート造
床面積 1階: 50.00㎡
2階: 50.00㎡
2.乙は、本件不動産の住宅ローン債務を負担する。
第○条(不動産の所有権移転義務)
甲は、乙が住宅ローンを完済したときは、完済後速やかに、財産分与を原因とする本件不動産の所有権移転登記のする義務のあることを認める。所有権移転登記費用は乙の負担とする。
第○条(支払の遅延)
乙は、乙が甲に対して支払う毎月の住宅ローン同等額の支払いを2回以上遅滞したときは、直ちに本件不動産から退去し、甲にこれを明け渡すものとする。
第○条(その他の関連費用)
乙は、本件不動産に関する固定資産税および維持費等の関連費用を責任をもって支払うこととする。
【関連記事】
>離婚協議書による財産分与の書き方

離婚協議書に記載する住宅ローン以外の費用

離婚協議書に記載する住宅ローン以外の費用

離婚協議書には、住宅ローン以外にも住宅に関連する費用を明記することが重要です。これらの内容を記載することで、住宅ローン以外の将来的なトラブルを防ぐことができます。以下に、代表的な費用として「固定資産税」と「修繕費」について詳述します。

固定資産税

住宅を所有していると、毎年、固定資産税を納める必要があります。この税金は、不動産の所有者が支払う義務があり、一般的には年1、2回に分けて支払うことになります。離婚後、住宅ローンを支払う義務がある人がこの税金をどう負担するかを明確にしておくことが重要です。

修繕費

住宅の維持管理には、定期的な修繕やメンテナンスが必要です。これには、屋根や外壁の塗装、設備の修理などが含まれます。修繕費用は通常、住宅の所有者が負担しますが、離婚後に誰がこの費用を負担するかも協議しておく必要があります。事前に修繕やメンテナンスの計画を立てて、費用負担に関する取り決めをすることで、後々のトラブルを避けることができます。

離婚協議書に住宅ローンを記載するメリット

明確な取り決めによりトラブルを防止できる

住宅ローンの支払い義務者や支払い方法、遅延時の対応策などを具体的に記載することで、将来的なトラブルや誤解を防ぐことができます。これにより、離婚後の不明確な取り決めが原因で生じる可能性のある争いを未然に防ぐことができます。

財産分与の一環としての明確な対応

住宅ローンに関する取り決めを文書化することで、不動産の財産分与時の登記原因証明情報として提供が可能です。さらに、財産分与における不動産の所有権の移転やローンの支払いに関する合意内容が明確になります。これにより、離婚後の不動産の所有権移転等の手続がスムーズに進むようにします。

【関連記事】
>離婚協議書を公正証書にする流れは?
>離婚後でも離婚協議書を公正証書にできるのか?

離婚協議書に住宅ローンを記載する注意点

離婚協議書に住宅ローンを記載する注意点

離婚協議書に住宅ローンを記載する際には、以下の注意点に留意することが重要です。これらの注意点をしっかりと文書に反映させることで、将来的なトラブルを防ぎ、双方が納得のいく取り決めができるでしょう。

支払義務者の明確化

離婚後の住宅ローンの支払義務者を明確にしておくことは重要です。特別な記載がなければ現在の住宅ローン支払義務者が今後も支払うこととなります。また、支払義務者に変更がある場合には、離婚後にどのように支払うかまで詳細を記載します。

支払い方法と期間の詳細化

住宅ローンの支払金額や方法、またボーナス時の加算を具体的に明記しておきます。これらの内容を検討する際は、住宅ローン契約書を入念に確認しておく必要があるでしょう。また、金利が変動する場合には毎月の支払金額を固定することが難しいと思いますので、その都度協議する旨を記載する必要があるでしょう。

住宅ローン完済後の所有権移転

離婚後の住宅ローンを不動産の名義人でない者が支払って完済した場合には、不動産の所有権を移転する手続も検討する必要があります。この場合の記載は、完済後の不動産の所有権が誰に移るかや登記義務者は所有権移転登記に協力する旨を明確に記載します。さらに、所有権移転手続や登記にかかる費用の負担者についても記載しておくと後のトラブルを防止することができます。

離婚協議書における住宅ローンの記載―よくある質問

Q.住宅ローンの支払い義務者はどのように決めるべきですか?
住宅ローンの支払い義務者は、夫婦間で協議の上、決定します。通常、ローンの名義人が支払い義務を負うことが多いですが、離婚後に住宅ローンの名義人ではない者が住み続ける場合には、その者が今後は住宅ローンを支払や約束をすることもあります。

Q.住宅ローンの支払い方法はどのように記載すればよいですか?
住宅ローンの支払い方法は、一般的に毎月一定の額を期日までに支払うこととし、ボーナス月には加算するような支払がされることが多いです。さらに、住宅ローンの金利が変動する場合には、その都度協議する旨も記載しておくと良いでしょう。

Q.住宅ローン完済後の不動産の所有権はどのように記載すべきですか?
住宅ローン完済後の不動産の所有権移転については、完済日以降に名義変更を行うことを明記し、所有権移転登記手続きについても記載します。ただし、注意が必要なのは、住宅の譲渡は離婚時に行っておくべきだという点です。その理由は、財産分与請求権には除斥期間が2年であるため、住宅ローンの完済が2年以上かかる場合に、その時に譲渡をしても財産分与として認められない可能性があるからです。法律上、不動産の譲渡と名義変更は別の概念として扱われます。

Q.支払遅延の対策方法はありますか?
支払遅延をさせないための予防対応策としては、遅延発生時の対応方法を具体的に記載します。たとえば、一定回数以上の支払遅延があった場合には、不動産の明け渡しを求めるなどを記載しておくことなどです。

Q.住宅ローンの関連費用(固定資産税など)はどう記載すればよいですか?
固定資産税や修繕費、維持費などの住宅ローンに関連する費用についても負担者を明確にしておくことを推奨します。記載は「乙は、本件不動産の固定資産税、修繕費及びその他維持費を負担する。」ような記載が考えられます。

Q.離婚協議書作成後に金融機関との調整が必要な場合、どう対処すべきですか?
離婚協議書の内容が金融機関の契約条件と合致するか確認するため、事前に金融機関と調整を行うことが重要です。不動産や住宅ローンの名義変更や支払方法の変更については、金融機関の承認が必要な場合があるため、離婚協議書作成前に金融機関と連絡を取り、必要な項目等について聞いておくとよいでしょう。

離婚協議書作成のご相談は

離婚協議書や公正証書の作成はお任せください

無料サンプルなどを使用して離婚協議書や公正証書の原稿を作成することは、コストや時間の節約になりますが、自分のケースに適した変更を加えなければ適切な文書として作成できないというデメリットもあります。特に、住宅ローンが絡む離婚協議書の場合、支払い義務者や支払い方法、所有権の移転に関する取り決めが複雑になることが多く、慎重な対応が求められます。

当事務所では、離婚協議書の作成を専門に取り扱っており、各ご家庭の状況やニーズに応じた最適な協議書を作成するお手伝いをしております。ご不明点や下記のようなお悩みをお抱えの方は、ぜひご相談ください。

  • 夫婦で協議離婚を希望している
  • 財産分与の対象財産が多く複雑な場合
  • 未成年の子どもがいる場合
  • 離婚後の生活や住居の決め事を明確にしたい
  • 慰謝料の支払いがある場合
  • 年金分割を合意している場合
  • 債務の分担がある場合
  • 離婚後のトラブルを防ぎたい場合
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>離婚協議書は行政書士に依頼することができる?そのメリットは

以下に、当事務所の離婚協議書作成サービスの特徴と流れをご紹介いたします。

サービスの特徴

豊富な経験
当事務所では、これまでに多数の離婚協議書や公正証書の作成をサポートさせていただきました。ネット上の口コミ数は150件を超えており、総合評価が4.9/5と高く評価をいただいております。そのため、当事務所によって提供させていただくサービスは自信を持っております。

きめ細やかな対応
ご依頼者様のご状況に合わせた、離婚協議書や公正証書を作成いたします。これまでに、ネット上のサンプルやテンプレートでは対応できないような難易度の高い離婚協議書や公正証書の作成も対応させていただいた実績があります。

柔軟な相談や業務の対応
対面、電話、オンラインなど、お客様のご都合に合わせた相談方法をご用意しております。さらに、当事務所では離婚協議書の作成に加え、公正証書の作成も取り扱っております。公正証書の作成については、全国的に対応しています。

明確な料金体系
事前にお客様のご状況をヒアリングした上で、サービス内容と料金の詳細をお伝えしますので、料金体系は明瞭にさせていただいております。

全国対応
当事務所は大阪市に事務所がありますが、離婚協議書や公正証書の作成については、大阪府、兵庫県、奈良県を中心に全国からご依頼を承っております。これまでに、東京都や神奈川県、広島県、沖縄県など幅広くご依頼を承ってまいりました。

離婚協議書作成の流れ

1.初回相談
まずは、電話や問い合わせフォームよりご連絡ください。お客様の状況をヒアリングし、離婚協議書作成の記載内容などをお伺いし、御見積やご準備いただく書類等をお伝えいたします。

2.契約締結
上記1によってご依頼いただいた内容で契約締結をします。お支払は契約締結後5日以内とさせていただいております。

3.協議書の草案作成
離婚協議書、公正証書いずれのご依頼であっても、まずは協議書の草案をPDF等のファイルでご確認いただきます。お送りする協議書の草案をご夫婦でご確認ください。

4.協議書の修正等
作成した草案の内容について必要に応じて変更や修正をいたします。その際に、不明点や疑問点があればお気軽にお申し付けください。

5.協議書の製本と郵送
確定いただいた協議書を当事務所で製本し、郵送させていただきます。なお、公正証書とする場合には公証役場にて手続をいたします。

料金

サービス料金概要
離婚協議書の作成と製本40,000円離婚協議書を作成し、製本までを対応させていただきます。
離婚公正証書の作成サポート60,000円~離婚公正証書の作成をサポートさせていただきます。代理調印が必要かなのかどうかで費用が異なります。

※)上記金額に実費がかかります。

当事務所にお任せいただくメリット

安心と安全をご提供します
法的知識と豊富な経験に基づいた、安全で信頼性の高い協議書を作成いたします。

時間の節約
煩雑な離婚協議書の作成を当事務所にご依頼いただくことで、お客様の貴重な時間を節約できます。

トラブル予防
将来起こり得るトラブルを第三者からの視点で予測し、それを防ぐための条項を検討させていただきます。

専門的アドバイス
離婚に関する法的な疑問や離婚後の手続なども専門家の立場からアドバイスいたします。

お問い合わせ

離婚協議書の作成について、ご不明な点やご相談がございましたら、お気軽に当事務所までお問い合わせください。経験豊富な行政書士が、お客様の状況に寄り添いながら、最適な離婚協議書や公正証書の作成をサポートいたします。

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    離婚協議書離婚公正証書離婚協議書又は公正証書(検討中)その他

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    ご質問等(任意ですがご依頼内容が「その他」の方はご記入ください。)

    お客様の声

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    離婚協議書における住宅ローンの記載―まとめ

    最後までご覧いただきありがとうございました。こちらの記事では、離婚協議書における住宅ローンの記載のポイントやメリット、さらに記載するサンプルについても記載させていただきました。

    1. 離婚協議書とは
    2. 離婚協議書における住宅ローンの記載
      1. 住宅ローンの記載ポイント
        1. 住宅ローンの支払い義務者の明記
      2. 住宅ローンの記載例
    3. 離婚協議書に記載する住宅ローン以外の費用
      1. 固定資産税
      2. 修繕費
    4. 離婚協議書に住宅ローンを記載するメリット
      1. 明確な取り決めによりトラブルを防止できる
      2. 財産分与の一環としての明確な対応
    5. 離婚協議書に住宅ローンを記載する注意点
      1. 支払義務者の明確化
      2. 支払い方法と期間の詳細化
      3. 住宅ローン完済後の所有権移転
    6. 離婚協議書における住宅ローンの記載―よくある質問
    7. 離婚協議書作成のご相談は
      1. サービスの特徴
      2. 離婚協議書作成の流れ
      3. 料金
      4. 当事務所にお任せいただくメリット
      5. お問い合わせ
      6. お客様の声
    この記事を書いた人
    行政書士 大倉雄偉

    大倉行政書士事務所
    保有資格 行政書士
         宅地建物取引士
    役職 旭東支部役員
    専門業務 離婚・遺言相続、その他民事法務

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